【読書日記】「海をめぐる対話 ハワイと日本~水産業からのアプローチ~」Dialogue over the sea Hawaii and Japan Fisheries approach
2020年 05月 12日
“Dialogue over the sea
Hawaii and Japan
Fisheries approach”
A story of the Japanese people of the sea who fostered the fishing industry in Hawaii in the midst of cooperation and exclusion.
私が日系ハワイ人の学びをライフワーク
にする理由はただ一つ。
ハワイに修行に行き始めた頃、
みんなが見て見ぬふりをする中、
ひとり駆け寄ってきた女性がいました。
「私のおばあちゃん沖縄にいるの。
だから日本語ちょっとわかる。
なんでも聞いて。」
彼女のおかげで私はハラウで、
孤立せずに済みました。
長年、ロサンゼルスに住んでいる従姉妹は、
日系ハワイ人の皆様によくしてもらってます。
書きたいエピソードがいっぱいありますが、
書き切れないほど日系ハワイ人の皆様に
とてもお世話になっているので、
自然といつしかライフワークになりました。
ビショップミュージアムでも活躍される、
浅沼正和先生の日系人に関する様々な講座
をアロハプログラムを通して受講し、
実際にお会いして色々学べたことも、
私の正確で深い学びに通じています。
私にとって、この本は、今後の人生においても、
とても大切な一冊となりました。
ハワイに渡った、渡らざるを得なかった、
私たちの先輩である、日系人の皆様が、
どうやってそこで漁業を始め、コミュニティを作り、
出る杭は打たれるとばかりに、打たれ、立ち上がり、
戦争で船を海軍に奪われながらも生き抜いた、
史実と体験談に基づいた誰にでも読みやすい本です。
パールハーバーはなぜ、パールハーバーなのか、
もしかしたら、御木本(ミキモト)さんが、
ハワイで真珠養殖をしていたかもしれない
という事実も知りました。
ハワイのマグロ料理のポキは、やはり、想像以上に、
日系人の皆さんのおかげである料理であること、
そして、日本で作るとなんか味が違う、
その理由もわかりました。
ケクヒ先生が、なぜ、神社を愛してくれるのか、
日系人の皆様の中だけでなく、神社は、
ハワイの地に人々に根付いていました。
そして何よりも、日本の漁師さんの技術の高さ。
日系人の活躍をよく思わない人たちが、
日系人を排除すると立ち行かなくなった。
それくらい技術と向上心が高いのです。
排除されようが、不利な法案が何度通ろうが、
時に数年かかっても、乗り越えてきました。
このコロナパンデミックの中、
悶々とした日々が続きますが、
この本を読むと、大丈夫、
きっと乗り越えられると思いました。
膨大な参考文献と著者の小川先生が実際に聞かれた、
豊富な体験談の数々で作られたこの本が、
一人でも多くの皆様のもとに届くことを、
切に願っております。
私がフラを学び始めたころ、神話や歴史の本を、
ずいぶん探してきました。
しかし、中々真実に基づくものを、
探すことが困難でした。
それが悪いことではないのですが、
神話の本は生贄だらけで、先住民の本はとても極端…
美しく書かれた本は「これ、ちょっと違うような…」
今の時代は、本当に恵まれていると思います。
そして、その本を出版するにあたって、
どれくらいの努力があったのかと想像すると、
関係者の皆様には感謝しかありません。
フラを習っているいないに関わらず、
ハワイが好きな日本人の皆様には、
ぜひぜひ、お読みいただきたい、
私の中で今一番にオススメの一冊です!